私たちは日常の生活の中で「感じる」事を、あらためて意識する事はありません。なぜならそれらのほとんどは無意識に心の中に入ってくるからです。柔らかそうなもの、強そうなもの、奥行き感、そうした様々な感覚は、理由も無く理解できてしまいます。
しかし、私たちが「美しい」と感じる時、実際には脳の中で何かが起こっているはずですし、そうした美しいものを記憶に留めるのも、脳の仕事であることは間違いありません。こうした脳の働きを研究しているのが「認知科学」と呼ばれる学問です。見たり聞いたりしているとき、脳ではどんなことが起こっているのでしょうか。
今回は仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアムの主催するイベント「OCCUR2009」の関連企画として、知覚心理学を研究している茅原拓朗氏を迎えて、感覚における様々なトピックスを紹介していただくと同時に、ビジュアルデザインと知覚心理学の関連性についても伺いました。
また、このディスカッションの内容は同イベントで展示される作品「工場と遊園地」における表現を考える上でも、重要なインスピレーションの源にもなっています。
1968年東京生まれ。博士(心理学)。宮城大学事業構想学部デザイン情報学科准教授。専門の知覚・認知心理学をツールに、「目カメラワークショップ」(インターコミュニケーションセンター)など、<発見の普及活動>に取り組んでいる。